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雨天中止になって仕方がないなと思われる山行きもある。が、中止になっても再度チャレンジしたくなる山行きもある。
今回の百丈岩Pwがまさにそれである。岩上に立ってもらいたいと思わせる何かをこの百丈岩は持っている。たかだか標高300mであるが、岩上からの360°の展望が素晴らしい。だが、下の谷から急な尾根を登る途中からの眺めは息を呑むほど素晴らしい。深山の中にこの岩だけが垂直に屹立しているさまを眺めていると、この凛々しい岩に取り付くクライマ−の気持ちがわからないでもない。
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途中から眺める百丈岩
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集合時刻は昨年と同様、10:10分。定刻前には全員が集合した。企画者から今日の説明を聞き出発した。
百丈岩というはインパクトがある割に計画となると難しい。百丈岩からの下山があまりにもあっけないからだ。短時間のうちに下界に舞い戻ることができるということは、素晴らしい余韻がすぐかき消されることを意味している。よってこのコースを歩く際に、鎌倉峡と抱き合わせとする計画が多々見受けられるが、時間が余るので単に違うものを2つのものを寄せ集めたような気がしないでもない。
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道場駅前
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そこで今回は、百丈岩に登ることに意味をもたせるように、すなわち直ちに下山せず、稜線を縦走し他所に出ることにした。道場駅から道場駅へと戻るのではなく、出発と終着の異なる2点間を歩く。その途中に百丈岩があるという形とした。途中でバスを利用するが、JR道場駅から山を越えて、2駅先のJR西宮名塩駅まで行く計画である。戻ることがない道、だからアプローチの道も一期一会の貴重な歩きとなる。
道場駅からの車道が細くなるとササユリの蕾に出会った。さらに少し進むと咲きかけの花が待っていた。思わず会えるというのは実に嬉しい。しかもササユリにだ。
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ササユリ アプローチ
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百丈岩の登山口にやまびこ売店がある。その近くまで来ると、百丈岩の上部が見える。そのてっぺんが台地の上にあたるので、実際よりも高く聳えるようにも見える。
時間がたっぷりあるので、いきなり百丈岩へ登らず谷川に沿って少し歩き、その基部を見てくることにした。このあたりは谷川も含めて熔結凝灰岩の一枚岩という感じで、谷の水も清冽である。基部まで来ると、2つのパーティが岩登りをしていた。しかし、基部から見上げても百丈岩の上部が望めないし、クライマーの邪魔になるといけないので、来た道を売店まで引き返した。
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上級者コースの見学
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ここでの上級者のコースとは、もちろん岩登りである。よって、我々は一般コースを登った。それでもこの道は急である。ここではストックはいらない。木や岩をつかまえて攀じ登る。急であるが木が多いので、下が木々に遮られて見えない。このコースは高所にいるという恐怖はあまり感じられない。木々がなければどうなのだろうか?そう思うだけで楽しくなる。道が急なだけにあっというまに高度を稼いでしまう。15分後には稜線に出てしまった。
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突然見える百丈岩の威容、あそこを登りたいという衝動が湧いてくる。一方で技術・体力のことを思い出した。両方を天秤にかけ、次の瞬間あきらめに転じてしまう。百丈岩は眺めるだけでも充分に満足できる。
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百丈岩
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稜線伝いに百丈岩に近づくにつれて、木々がなくなり谷川までもが見えるようになる。それと同時に百丈岩が刻一刻と違った形相を見せる。写真を撮ろうとするが1枚の画像には収まりきらない。どこを切り取るか・・・・そんなことを考えながらゆっくりと近づくのがここでの楽しみ方だ。
岩上まで行ってしまうと写真になりにくい。が、そこは高所平気症にはたまらない空間がある。高所恐怖症にも別の意味でたまらない空間であるらしい。
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百丈岩の上は好展望地
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さらに百丈岩へ近づくには、キレット状の場所をとおり抜けないと行けない。高さでは縦走路近くの岩の方が高い。さらに百丈岩は絶壁の上、いかにも怖い。よって、縦走路近くの岩で休憩することにした。それでも、ここは360°の展望の地。あいにく視界の悪い曇天だったが、近くの山が見渡せた。実に心地良い場所である。
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岩からは絶壁の少し下に百丈岩と書かれた標識が木にくくられている。誰かが絶壁の崖を下りそこまで行ったのだろう。わざわざザイルを使って・・・・・誰もが不思議に思うような標識である。
その仕掛けを暴くために物好きの3人がそれに挑んだ。そこに行くのは一見難しそうだが、犬走りの岩棚がそこまであることがわかった。しかし、棚の下は谷川まで絶壁、高所恐怖症の人は避けた方が賢明な場所であった。
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百丈岩での憩い
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百丈岩の裏側も相当な絶壁である。案の定、山岳映画の1シーンのような写真ができた。標高300mにも満たない岩峰とは思えないような雄大な風景である。
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ヘリコプターで撮影したかのような写真
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百丈岩上もよいが、人が来るのでもう一段奥の岩で昼食を食べることなった。天気が曇りなのが嬉しい。ノンビリと風景を眺めながらの昼食である。
宝塚で仕入れたチーズケーキでドスコイ不死身3人組の久しぶりの参加を祝い大中小を実施。いつもながらの楽しみの多い山行きとなった。
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岩上での昼食は最高
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昼食場所からさらに少し登れば四等三角点の場所。記念写真を撮った。ここまで来ると、木々に囲まれ、もう展望は期待できない。
途中の道場駅へ向う分岐点では、第2名神の工事で通行止めになっている登山道が地図付きで丁寧に書かれていた。登山者の大多数はここから下山するのであろうが、我々は稜線を南下するので、それとは関係なしに静ヶ池に向った。
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三角点 静ヶ池(写真は下見時)
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今年は雨が多いためか、静ヶ池の水もたっぷりだ。山上の小分水嶺にあるこの不思議な池の水はどこから来るのだろう・・・・・・休憩中にそんな話をしていたら、ポツと雨が降ってきた。昼食はとっくに終えている。長居は無用と稜線道を急いだ。
雨といっても小降り、しかも樹木に囲まれた道だからほとんど地上に落ちては来ない。稜線道も山道であるが起伏があまりなく、地上とほぼ同じくらいと思われる速さで歩くことができた。ほとんど汗をかかない快適な道だった。
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稜線道を歩く
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それでも雨は嫌だ。最後の下りは山道を歩こうか、住宅地の舗道を行こうか迷った。下手に滑るよりは傘をさして歩く方がよいだろうということで山道に別れを告げた。舗道を約30分歩き、今日の下山口、赤坂峠に無事に着くことができた。
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山道終了 赤坂峠
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バス停で企画者の篠島さんが挨拶。予定通り15時までにここに辿りついた旨をいうやいわずの間にバスが来た。宝塚行きだった。阪急で帰る人は宝塚へ、JRで帰る人は西宮名塩で下車した。
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西宮名塩駅までの車中にて解散
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最後に雨が降ったとはいえ梅雨時のこと、ほとんど濡れることのない実に幸運な一日であった。
期待したイシモチソウやモウセンゴケの花は見られなかったが、夏に向けた花に会うことができた。
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梅雨時の花
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